「見捨てられ不安」と「恐れ」を手放すには。幼少期トラウマの背景と影響を理解してラクに生きていこう

「見捨てられ不安」と「恐れ」を手放すには。幼少期トラウマの背景と影響を理解してラクに生きていこう

こんにちは。高橋リエです。
今日は、多くの方が抱えている「不安」と「恐れ」について、また、その手放しかたについて、私の考えを書いてみました。

目次

「不安」や「恐れ」の感情を引き起こす子ども時代のトラウマはどのようにしてできあがるか

すべての子どもの持つ、根本的な願いが満たされないことで、トラウマは生まれる

すべての子どもは本来、このように育てられたいはずです。

  • だれかの期待にこたえるためではなく、ありのままの自分として大切にされる
  • 親の欠損を埋め合わせるための存在ではなく、その子自身として慈しまれる
  • 安全で、安定していて、温かさのある環境で、無条件に愛される

この根本的な願いが裏切られ、
傷ついたときの感情が
だれにもいやされないと、
トラウマとなって全身にしみこみます。

いま、トラウマがまったくない人というのは
いないと思います。
気づいていない人はたくさんいると思いますが。

「恐れ」が動機となって、無意識に自ら性格や運命を決めていく

裏切られたときの感情が何だったか――
悲しみなのか、
怒りなのか、
恐怖なのか・・

そのトラウマにどう対処したか――
フタをして、なかったことにしたのか、
悲しみや恐怖をごまかすために、
すべてを怒りであらわすようになったのか・・

そして心の底にある無意識的な恨みを、
どう晴らすことにしたのか――
相手を見下すために、
りっぱになって見返してやるのか、
相手を困らせるために、
問題をおこして思い知らせるのか・・

人生のごく初期におこなわれる
その決断で、
その人の性格や運命がきまってきます。

問題なのは、
その決断の動機が「恐れ」であり、
決断が無意識的におこなわれることです。

「見捨てられた」「価値がない」と感じた多くの子どもは、その気持ちを隠して育っていく

身体的、情緒的に
安全で守られていて、
無条件に愛されていて、
安心できる・・・
そんな状態ですくすくと成長できたら、
どんなにいいでしょう!

でもたいていは、そうはいきません。

そういう状態にない子どもは、
「見捨てられた」という感覚をもちます。

自分は関心をそそがれたり
世話をしてもらうのに値しない存在だ、
「おまえには価値がない、じゃまなんだ」
と思われていると信じ込んで育ちます。

実際は平均よりいい環境の家庭だったとしても、
子どもが求めたときにかまってもらえなかった、
親が気づいてくれなかったので、話せなかった・・
そんなささいなことでも、
自分は親にとりあってもらえなかった、
自分には価値がないんだ、
と思い込むことがあります。

自分には価値がないと感じるのはつらいので、、
成長するにつれ、
そんな体験などなかったことにして
忘れてしまったり、
受け入れてもらうために、
自分の一部を隠すようになります。

多くの場合、自分の感情を隠すようになります。

親はわが子のことで、自分がつらくなりたくないために、子どもの感情を否定する

「泣かないの、そんなの、泣くようなことじゃないわよ」
「そんなことで怒るんじゃない」

そうやって、親に自分の感情を否定されることって、
珍しくないんじゃないでしょうか。

親は、自分の子どもがつらい思いをしているのを見るのがつらいのです。

子どもが痛い思いをするのを見るのもつらいし、
子どもが悲しんでいるのを見るのもつらい、
子どもが失敗するのを見るのももちろんつらい。

子ども自身のことも心配ではあるけれど、
子どものせいで、自分がつらくなるのがイヤなんです。

だから、心配症の過干渉にもなるし、
子どもの悲しみ、恐怖、怒りを、
認めたくないのです。

自分の感情を親に否定された子どもは、
自分が感じたことを、感じてはいけない、
と幼な心に刷り込んでしまいます。

つまり、自分の感情を否認し、
押さえ込んで、
頑丈にフタをしてしまうのです。

トラウマがもたらす人生

「見捨てられ不安」と「恐れ」を手放すには。幼少期トラウマの背景と影響を理解してラクに生きていこう

集団になじめない、疎外感を感じるあなたは、幼いころ、子どもらしく天真爛漫にふるまえなかった記憶はありませんか

感情をおさえこんで、
感じない、あらわさないようにすると、
ネガティブな感情をあまり感じずにすむかわり、
喜びや楽しい気持ちも感じにくくなります。

集団で活動していて、疎外感を感じるのは、
みんなの盛り上がりについていけない、
どこがそんなに楽しいんだろう?
という感情的な疎外感も
大きいのではないでしょうか。

集団になじめない人は、
幼いころに、子どもらしく
天真爛漫にふるまえなかった人が多いでしょう。

安全で安心できる環境で、
自分をありのまま出すことが
怖くてできなかったからです。

感情的にならないので、
一見、クールでおとなっぽく見えますが、
感情をおさえてじっと我慢している
幼い子どものままの自分が
胸の中に住んでいるのです。

感情はいくら抑え込んでも生理作用なので、あなたの中に気づいていない様々な感情がかけめぐっている

感情をおさえこんでいる人は、
自分が感情をおさえていることにも
気づいていないことが多いです。

幼いときに、自分の感情を出すと
親の機嫌が悪くなったり、
怖い目にあったりして、
生存の危機を感じたので、
感じない・出さない という決断をしたのです。

ところが感情エネルギーというのは、
本人が感じなくても
ちゃんと存在しているのです。

感じてない感情が存在するのって、
なんだかへんですが・・

感情は一種の生理作用なので、
心身に危険が迫れば
恐怖がわきおこり、
自分の大切なものが奪われそうになったら
怒りがわきおこり、
大切なものを失ってしまったら、
悲しみがわき、
生きるのが楽しいときは
喜びがわきあがります。

自分が感じないようにマヒさせても、
感情というのは自然にわいているのです。

それを感じて、表さないと、
わきあがった感情エネルギーは
行き場を失い、
からだの中をかけめぐります。

トラウマ感情=過去のとらわれの中で生きること

わきあがった感情エネルギーが行き場を失い、からだの中をかけめぐるたびにトラウマは増えていく

アメリカのトラウマ治療、
ソマティック・エクスペリエンスの創始者である
ピーター・リヴァイン博士は、

トラウマとは、ストレスにたいする身体の正常な反応が、理性(大脳新皮質)によってゆがめられ、エネルギーがブロックされることで生じる

ピーター・リヴァイン.『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー 』.雲母書房 ,2008

と述べています。

自然な生理作用としてわきおこる
怒りや悲しみ、恐怖などの感情が
理性の指令で抑えこまれれば
それはトラウマとなるわけです。

封じ込められたトラウマ感情が、
何かのきっかけで表出するのが、
PTSD(Posttraumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)ですが、
本人は、何がなんだかわかりません。

言うことをきかない子どもに
かーっとなるのも、
対人不安やパニック障害も、
さまざまな身体疾病も、
原因は、広義のトラウマにあると考えられます。

ピーター・リヴァイン.『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー 』.雲母書房 ,2008

過去に生きるというのは・・

わたしたちの脳幹には、
胎児期からいままでの未処理の感情――
大きいものから小さいものまで、
強いものから微細なものまで、
トラウマ感情がたくさんつまっています。

インナーベビーもインナーチャイルドも
トラウマ感情の別名です。

対人恐怖も、パニック障害も、
トラウマ感情の反応です。

あらゆる症状が、
過去のトラウマ感情のあらわれだと考えます。

それほど、感情エネルギーというのは強力で、
わたしたちは現在を生きながら、
つねに過去の感情で反応し、
それが恐怖であれば、不安に陥ります。

過去にこわい目にあったのだから、
きっとまたそうなる、どうしようというわけです。

トラウマ感情の恐怖が強い人ほど、
予期不安が強くなります。

わたしたちが真の意味で現在を生きるには、
いままでにためこんできたトラウマ感情を
できるだけ処理する必要があるのです。

 トラウマ感情を解放して「不安」「恐れ」を手放そう

アメリカで、ベトナム戦争後に一気に研究が進んだトラウマ療法

では、たまりにたまったトラウマ感情を
健全に処理するには
いったいどうしたらいいんでしょうか。

世の中には、
トラウマ療法がさまざまありまして、
いまも盛んに研究されています。

アメリカで、ベトナム戦争後に
一気に研究が進んだため、
横文字が多くなっています(^^;)

現在のトラウマ療法は、

  • PE(持続エクスポージャー療法:曝露療法)
  • EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)
  • TRE(トラウマリリースエクササイズ)
  • SE(ソマティックエクスペリエンス:身体的経験)

などなど、心理学のみならず、
神経生理学的なアプローチによる療法が開発されています。

ですが、要するにトラウマの解消のキモは、
安全を保証された、安心できる場で、
トラウマ感情を感じる、ということです。

トラウマとなった時点では、
あまりにつらすぎるために、
その感情を感じないで、
フリーズさせてしまいました。
そのせいで、
神経に影響が及んでいるのです。

トラウマ感情を感じて、解放し、
それに慣れてしまえば、
神経も落ち着く、というわけです。

「過去のトラウマ感情にとらわれて生きる」のは人生におけるトラップ

なんだかずいぶん単純な話に聞こえますが、
実際、単純なんだと思います。
ただ、自分が過去のトラウマ感情に
とらわれていることに気づく、
ということのほうが、むしろ難しいかもしれません。

わたしはこれを、
人生におけるトラップだと思っています。

このトラップに気づくために、
わたしたちは傷ついたり、苦しんだり、
悩んだりするのだと思います。

だから、つらい経験というのは、
トラップに気づくための
大きなチャンス、なんです。

それでは、どうして人生にはトラップがあるんでしょう?

「トラウマ感情=過去のとらわれの中で生きるシステム」から抜け出すゲームを一緒に進めませんか

これはわたしの妄想ですが、
人がわざわざつらい体験をたくさんして、
トラップに気づき、
精神的に成長していくのは、
人類の意識がとらわれている
閉じられたシステムに気づくため、

じゃないかと思います。

イメージとしては、
映画「マトリックス」とか、
「キューブ」(こわかったよ~(>_<))。
みたいな感じです(^^;)

トラウマ感情に支配されて、
つねに過去のとらわれの中で生きる、
その囚われシステムのからくりに気づいて、
外に出られるかどうか・・・

そういうゲームなんじゃないか、と(^^;)

今生で、どこまで気づくか、
どこまでゲームを進めるかは、
その人しだいです。

わたし自身は、
早くこの地球ゲームを「上がり」たいので、
ゲームのルールと裏技を、
こうして一生懸命調べてる、

そして、みなさんと一緒に
ゲームのコマを進めたい、
そんなふうに感じていたりします(^^;)

ちょっとヘンかもしれませんが、
まあ、だれにも迷惑はかけてないかな、と。

不安と恐れをめでたく手放せたら、
あなたも「地球ゲーム」は「上がり」です(^^)

※当記事は、高橋リエがカウンセラーとして活動を始めた当初より綴っている、Ameba(アメーバ)ブログ 「毒親育ちのアダルトチルドレンが自由になるカウンセリング」から、人気記事を再編集して公開しています。

あなたのお悩みの「本当の原因」を知り、過去のトラウマと向き合って解放していくことで、自分の意識を変えていくと、現実が変わり、お悩みが解決していきます。
その実践を5つのステップでご紹介している『自分再生・リバースメソッド』では、おひとりでできることも、たくさんあります。ぜひ無料サービスをご活用いただき、たくさん気づいて、理解を深めていただければと思います。

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オフィシャルYouTubeでは、10分前後で「毒親育ちさんのための子育て講座」や「毒親講座」を配信しています。
先ほどは人生を「地球ゲーム」として書きましたが、『人生はあなたが主役・観客・監督の映画なんです』は、自分の人生を映画に見立てて、主役である自分、観客である自分、監督である自分と、3つの視点、3つの意識をもつと、視野が広がり生きるのが格段にラクになる!というお話をさせていただきました。
ぜひご覧ください(音声だけ聴き流していただければ幸いです)。
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『人生はあなたが主役・観客・監督の映画なんです』高橋リエYouTubeチャンネル
高橋リエオフィシャルYouTube『人生はあなたが主役・観客・監督の映画なんです』

『ネガティブにも、かならずメリットがあります!』は、ネガティブなことが起きると、落ち込んだり悩んだりしがちですが、じつは、その必要はない、ネガティブにもメリットがあって、目的があるからこそ、そんな現実を作るんですよ、ということをお話しています。
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