不登校と親の不安 解決編

こんにちは、高橋リエです。

今回は、数多くのご相談が寄せられる「子供の不登校」について、「不登校と親の不安 原因編」として、「子どもの不登校には、どんな原因があるのか」をテーマに、私がカウンセラーとして活動を始めた当初より綴っている、Ameba(アメーバ)ブログ 「毒親育ちのアダルトチルドレンが自由になるカウンセリング」のかなり初期のブログの内容を再編集してお届けします。私のYouTubeチャンネルで、関連動画「子供が学校に行けない意外な理由【毒親講座】」という動画も配信しています。

前編「不登校と親の不安 原因編」では、子供が不登校になる原因として、親が意外と理解していない本当の理由等について、お伝えしました。

後編「不登校と親の不安 解決編」では、子供が不登校となった場合、親はどう対応して、解決していけば良いのかという事をお伝えします。

不登校の解決のカギは、親が不安を手放すこと

ある日とつぜん学校へ行かなくなる子、

五月雨登校になったり、保健室登校をする子など、

不登校にもいろいろなタイプがあります。

——————————————————————

症状: ○歳○ヵ月で五月雨登校開始、

○歳○ヵ月から完全不登校、現在○ヵ月が経過。

子どものタイプ:□  母親のタイプ:△  父親のタイプ:◇


診断: このケースでは、完全不登校開始後○ヵ月で再登校可能

(確率80パーセント)

——————————————————————

こんな診断がくだって解決の見通しがわかるなら、どんなにいいでしょう。

不登校のやっかいなところは、はたして学校へ戻れるのか、戻れないのか、

戻れるとして、それはいつなのか、さっぱりわからないことです。

見通しが立たないと、だれしも不安になります。

ただでさえ、このままでは勉強が遅れてしまう、

ひきこもりになってしまったらどうしよう・・・

などと、不安が日ごとにつのりますから、

親の焦燥感は相当なものです。

でも、親が不安のあまり、子どもを責め立てると

子どもは親が自分の気持ちを汲んでくれず、

学校へ行かない自分を否定したと考え、

部屋にたてこもったり、暴力をふるうなど、事態はますます悪化します。

不登校を生むのは親の不安であり、不登校の解決を遅らせるのも、親の不安、なのです。

親が不安を手放して初めて、

子どもは安心して、順調に回復しはじめます。

そして、心のエネルギーが充分にたまれば、

かならず自分から動き出します。

不登校の子どもが回復するのにかかる時間は?

かりに親が不安をきれいに手放せたとして、

それからどのくらいで子どもは動き出すのでしょう・・?

ひとつの目安ではありますが、

心のエネルギーが10パーセント増えるのに、約1.2ヵ月~2.4ヵ月かかるという説があります。

もし心のエネルギーが今、0パーセントだとすると、

学校へ行けるラインである60パーセントまでたまるのに、

順調にいっても、約7ヵ月強、かかることになります。

7ヵ月なんて、長すぎるでしょうか・・?

中学1年生で不登校になった子の70パーセント以上は、中学を卒業するまで、ずっと不登校のままです。

それを考えれば、もし7,8ヵ月で登校できるようになるなら、早いといえるのではないでしょうか。

順調に回復をはじめても、それだけ時間がかかるのです。

親が不安にかりたてられて、子どもを追い詰めていれば、

いたずらに回復を遅らせることになります。

子どもが1日も早く学校へ行くことを考えるのではなく、

親が1日も早く、不安を手放すことを考えなければいけないのです。

いかにして親が、親のエゴを棄て、不安から解放されるか・・・

これが、不登校問題のキモであり、もっとも難しいポイントなのです。

親が不安を手放せない理由

幼少期の親子関係による違い

さて、それでは親はどうしたら、不安を手放せるのでしょう?

不安とは、恐れから発しています。

いったい何を恐れているのでしょう?

表面的には、勉強が遅れる、社会に出られるのか、など

子どもの社会適応について心配しています。

が、ちゃんと学校に通って、いい成績をとっていても、就職時には大氷河期かもしれないし、そもそもいつ大地震がくるかもわかりません。

まあ、大地震は親の責任ではないので、親の責任の範囲内での子どもの心配が尽きない、と言えそうです。

それだけ責任感が強い、とも考えられますが、

でも、不安の大きさ=責任感の強さ、ではないですよね。

だれにとっても未来は不確定ですが、ある人は不安になり、ある人は不安にならない、

という違いがあります。

その差はどこからくるのでしょう?

物事がちゃんとあるべき状態になって初めて自分にオッケーが出せる人と、

物事がどうであれ、自分にオッケーが出せる人のちがい、ではないでしょうか。

つまり、条件つきでしか自分を認められない人と、

無条件で自分を認められる人のちがい、です。

そのちがいは、やはり幼少期の親子関係に根があります。

親から無条件に存在を認めてもらえるような育ち方をした人は、どんな状況でも比較的安心していられますが、

親から条件付きでやっと認められる、と感じて育った人は、

条件を整えるために必死になりますし、条件を満たせなかったらと思うと怖くなります。

子育てでは主体は親ではなく子ども

自分が努力すれば条件を満たせるときはいいですが、

子育てとなると、がんばる主体が自分ではないので、おかしなことになります。

親が自分の存在価値を認められるように、子どもに成果を出すよう強いることになり、子どもには相当迷惑です。

母親ががんばらなきゃと必死の形相でつねにそばにいたら、プレッシャーで、具合が悪くもなるというものです。

親が不安にかりたてられていると、子どもは消耗して、心のエネルギーがなくなります。

親が、ありのままの自分の存在価値を認めて、

子どももありのままでいいんだ、と心から思えるようになり、

毎日、安心して暮らせるようになることが、

子どもが元気になるために最も重要なのです。

ありのままの自分を認める

無意識のうちに、自分はありのままではダメという思いから、勉強や仕事を必死にがんばっている人は少なくありません。

その結果、本人は立派に社会適応しますが、子育てにおいては機能不全を起こします。

すると、子どものほうは2通りに分かれます。

親と同様、必死で勉強やスポーツをがんばる子がいます。

そういう子は社会適応して、勝ち組となりますが、

自分が親になってから、子育てでつまずくかもしれません。

親にならないという選択をする人も少なくありません。

一方、どうせ自分は認めてもらえない、と感じた子どもは、思春期に、不登校というストライキに入ります。

ありのまま認めてもらえないと、とても自立なんてできない!という暗黙の主張です。

ストライキですから、親が子どもの無言の要求をすべてのめば、早期に終結します。

が、親が子どもの要求を理解できなければ、ストライキは長期化します。

話をもとにもどしましょう。

恐れと不安にとらわれるのをやめて、ありのままの自分を認めてほしい、という子どもの要求にこたえるには、どうしたらいいでしょうか?

まず、親が自分自身を存在価値を認めていないことに気づき、

ありのままの自分を受け入れる必要があります。

自分ひとりでもできる「インナーチャイルド・ワーク」

では、いったいどうすれば、親が自分の傷ついたハートを癒し、

ありのままで自分は存在する価値があると、心から信じられるようになるのでしょう?

いろいろなやり方があると思いますが、自分ひとりでもできるものに、「インナーチャイルド・ワーク」があります。

ものすごくおおまかに、ご紹介してみます。

インナーチャイルド、つまり、「過去の内なる子ども」が、

いつもあなたの胸の内にいることを、まず、じっくり感じてみてください。

無視され、傷ついたインナーチャイルドが、ひとりぼっちであなたがくるのをずっと待っています。

その子がどんなに悲しんでいるか、怯えているか、あるいは絶望しているか・・

いまの自分の身体で、それを感じてみてください。そして、

「長い間、待たせてしまってごめんね、寂しかったね」と言って、

あなたのインナーチャイルドをハグしてあげましょう。

(大きめの、手ざわりのよいクッションを使うと効果的です)

そして、幼い頃、無条件に愛してもらえずに、傷ついたままのインナーチャイルドを、

「つらかったね、よくひとりでがんばったね・・」と癒してあげて、

大人の自分が「理想の親」になって、ていねいに育て直して、守ってあげましょう。

幼いとき、親に子どもらしく甘えられなかったあなたのインナーチャイルドを、

いまからでも、充分甘えさせてあげてください。

そして、

あなたはありのままでとっても大切なんだよ、

生まれてきてくれて、ありがとう

と伝えて、安心させてあげましょう。

そのプロセスで、もし悲しみがわきあがってきたら、

じっくり悲しみを感じてください。

悲しみは、感じれば感じるほど、減っていきます。

もし、恐怖がわきあがってくるときは、いったん、ひとりで取り組むのをやめて、

パートナーにハグしてもらうなど、安全を確保したうえで、じっくり恐怖を味わってください。

ハグの安心感が、恐怖というトラウマ感情を解消し、癒してくれます。

いままであなたのインナーチャイルドは、

傷ついたまま、ひとりぼっちで、満たされずにいました。

だから、あなたの子どもが甘えたり、ワガママを言ったりすると、

「わたしはひとりでこんなに我慢しているのに・・!!」

と激しく憤り、地団駄を踏みました。

そのせいで、あなたは子どもの甘えを受けとめられませんでした。

傷ついたインナーチャイルドが激しく抵抗するので、子どもをありのまま受け入れることも、できなかったのです。

インナーチャイルドの悲しみや恐怖、怒りをシェアして解消し、

心から安心させてあげられれば、

あなたも安心して、自分を受け入れ、子どもを受け入れることができます。

親の安心が子どもにもたらすもの

そうやって、まず自分の内なる子どもを大切にし、守ることで、

あなたは初めて安定した大人に成長し、

安心感に満たされ、自然とハートが開きます。

母親がそんなふうに変われば、当然、子どもにも伝わります。

親の安心は、子どもの心のエネルギーの回復を加速させます。

回復した子どもが学校へ行くのか、ほかの道を選ぶのかはわかりません。

でももう親自身が不安から解放され、満たされていますので、子どもの自立を心から喜んで見守ることができます。

そのときには、「自分をもっと大切にして!」と、身体をはって、親に訴えてくれた子どもに、心から感謝しているはずです。

<関連書籍>

きづけない毒親 高橋リエ
「気づけない毒親」高橋 リエ著
単行本 : 192ページ
出版社 : 毎日新聞出版

※当記事は、高橋リエがカウンセラーとして活動を始めた当初より綴っている、Ameba(アメーバ)ブログ 「毒親育ちのアダルトチルドレンが自由になるカウンセリング」から、人気記事を再編集して公開しています。

あなたのお悩みの「本当の原因」を知り、過去のトラウマと向き合って解放していくことで、自分の意識を変えていくと、現実が変わり、お悩みが解決していきます。
その実践を5つのステップでご紹介している『自分再生・リバースメソッド』では、おひとりでできることも、たくさんあります。ぜひ無料サービスをご活用いただき、たくさん気づいて、理解を深めていただければと思います。

高橋リエ 関連コンテンツ

オフィシャルYouTube

オフィシャルYouTubeでは、10分前後で「毒親育ちさんのための子育て講座」や「毒親講座」を配信しています。

「子供が学校に行けない意外な理由」では、子供が学校に行けない場合に、親が理解していない意外な理由について、お話しています。原因が分かれば、親がどう対応したら良いのか、解決策が見えてくるのです。
ぜひ参考にしてくださいね。
(音声だけ聴き流していただければ幸いです。)
↓↓↓

メルマガ

親子の問題を中心に、本来ひとはどう生きるのがよいのか、どうしたら幸せを感じられるのか、気づきを深めるお役に立つ情報を、週3回、メルマガで配信しています。