「小さなおとな」が「大きなこども」に育つワケ~アダルトチルドレンの子育て~②ネガティブ感情を解放する

こんにちは、高橋リエです。

今回は関連記事として『「小さなおとな」が「大きなこども」に育つワケ~アダルトチルドレンの子育て~』をテーマに、私がカウンセラーとして活動を始めた当初より綴っている、Ameba(アメーバ)ブログ 「毒親育ちのアダルトチルドレンが自由になるカウンセリング」のかなり初期のブログの内容を再編集してお届けします。私のYouTubeチャンネルで「アダルトチルドレンは多重人格!?【人間の仕組み】」という関連動画も配信しています。

前編『「小さなおとな」が「大きなこども」に育つワケ~アダルトチルドレンの子育て~①おとなの定義とは?』では、「小さなおとな」とはどういう状態であるのか、また、トラウマ感情が精神的成長に及ぼす影響などについて、分かりやすく解説しています。

後編では、「小さなおとな」が成人して「大きなこども」となり、子育て等で直面する問題の原因と、どうすると良いのかについてお伝えします。

ハッピーチャイルドとアンハッピーチャイルド

それでは、ひとは健全に育てられると

どうなるから「おとな」になれて、

健全に育てられないと、

どうなるから「おとな」になれないんでしょうか?

単純に言ってしまうと・・・健全に育てられる、つまり、

「おとな」の親に保護的に育てられると、その子の毎日は、

 快>不快 

となり、不快な目にあっても、すぐにフォローされて快になる確率が高いでしょう。

いっぽう、健全に育てられない、つまり、

「こども」の親におもちゃにされて育てられると、その子の毎日は、

 快<不快

となり、不快なまま放置されることが多いでしょう。

前者はハッピーチャイルドとなり、後者はアンハッピーチャイルドになります。

アンハッピーチャイルドは「小さなおとな」

毎日がアンハッピーだと何が起こるかというと、その子はネガティブな感情を感じることが多く、

怒り悲しみ恐怖の感情が、小さな心に日々たまっていきます。

だれかがそばで共感してくれて、慰めたりなだめたりしてくれれば、

感情はたまらずに発散されるのですが、そんな人いないし、ってことが多いご時世です。

アンハッピーな目にあわされても、そんな親を絶対視して適応し、必要なら親をささえるのが人間の子どもです。

ネガティブ感情をかかえながら、必死でサバイバルします。

とはいえ、子どもだってつらいものはつらい

「感じる心」がネガティブ感情でいっぱいになってくると、

子どもはこれではもたないと、「感じる」ことをストップさせます。

感じないように、感情をマヒさせるのです。

そして、親の求めに応じて、良い子になります。

じゃーん!「小さなおとな」の誕生です

「小さなおとな」になった子どもの親は、

「うちの子は手がかからなくて育てやすくて、良い子でよかったわ~」

なんて思っていることでしょう。

子どものほうも、良い子の使命をはたすべく、日々がんばっちゃってたりします(^^;)

親の顔色をうかがい、周囲の様子をうかがい、

どう思われるかを気にしながら、毎日を生きています。

でも、感情をマヒさせて、耐え難きを耐え、自分の欲求は抑えて、我慢しまくってますから、

早々に、肩こり&不眠になるかもしれません。

ハッピーチャイルドは「小さなこども」

かたや、ハッピーチャイルドのほうは、

「小さなこども」として、安心してワガママも言えますし、

たまにはつらいこともあるでしょうが、おおむね、楽しい・うれしい状態です。

ネガティブ感情がたいしてたまらないので、「感じる心」もまだまだ余裕があります。

たとえていえば、

「小さなおとな」はネガティブ感情のつまった

漬け物石みたいな、重くて固い心をかかえ持っていて、


「小さなこども」のほうは、

楽しさがいっぱいの、風船みたいな明るく軽やかな心をもっている、

そんなイメージでしょうか。

「小さなこども」と「小さなおとな」が成人すると?

思春期になると、「小さなこども」だった子は、

安心して親に反抗できるので、子ども時代の怒りや悲しみを健全に発散することができますが、

感情をマヒさせた「小さなおとな」は、親がこわくて反抗などできませんから、

ネガティブ感情も発散できません。

相変わらず、重たい漬け物石をかかえています。

感情がマヒしているので、表面的には冷たく見える漬け物石ですが、じつは中には、

長年鬱積している怒りや悲しみ、恐怖が

どろどろと、マグマのようにたぎっているのです・・

(こわ~。。)

こんな状態で、成人して結婚して、子どもをもったら・・

(ああ、また話がホラーな方向に・・どうもすみません)

あ、でも本人は、感情がマヒしてますし、

そんな危険なマグマ入り漬け物石を自分がかかえ持っているとは全然気づいていませんが・・

というわけで、

マグマ入り漬け物石のような心をもった「小さなおとな」が、年をとって大人になりました。

自分では、名実ともにおとな、つまり「大きなおとな」になったと思っています。

だって、幼い頃からずーっと「おとな」だったんですから、

当然ですよね(^^;)

お母さんが喜ぶように、まじめにがんばってきてますから、

自分に問題があるとは、気づいていない人のほうが多いでしょう。

もちろん、すでに親子関係が悪化していたり、

人間関係がうまくいかなすぎて、

早々に生きづらさに苦しむ方もいますが・・

元「小さなおとな」さんが子育てで直面する問題

元「小さなおとな」さんたちは、内面と外面の差があるかもしれません。

外ではにこにこして、たいていのことには冷静でいられるのに、

ウチの中ではいつも仏頂面だったり、

親しい相手ほど、つらくあたってしまったり・・

なんでわたしってこうなんだろう・・

って、うっすら疑問を感じていたりします。

多くの元「小さいおとな」たちは、子育てをはじめてから、自分の秘めたる怒りの存在に気づいていきます。

家の外では、ものわかりのいい「おとな」なのに、

家の中で、幼い子と向き合うと、

イライラしてしまって、コントロールができません。

わが子が言うことをきかなかったり、期待どおりでないと、カーッとなったりもします。

「わたしって、こんなに怒りっぽかったの??」

と驚きます。さらに、

「わたしはあんなに我慢したのに・・・!!」

そんな思いがむらむらと湧いてくるかもしれません。

子どもは親の期待どおりに「すべきだ」と無意識に思っていて、

子どもの都合や気持ちはおかまいなしです。

当然、子どものほうも、そんな母親のことは怖いと感じるでしょう。とても悲しいことですね。。。

なんでこんなふうになってしまうんでしょう(>_<)

元「小さなこども」さんの子育て

いっぽう、元「小さなこども」で、子どもらしい子ども時代を過ごし、

ハッピーチャイルドだった母親は、

わが子を見ていて、いまどんな気持ちなのかが

自然とわかって、それを優先してあげられます。

子どものペースを尊重して、待つことができます。

たまにはイラっとすることはあっても、

たいていは、子どもと一緒にいるのが喜びで、機嫌よくしています。

すると子どもも安心して、自分の欲求を素直にあらわすことができます。

怒り悲しみ恐怖を感じても、それを表現して、

母親に解消してもらうことができます。

そんな毎日ですから、

その子の心はあかるくて軽い、風船のような感じです。

そして喜びが大きいほど、風船が大きくなり、安心感も強くなります。

安心感があれば、存分に親に反抗もできます。

ネガティブな感情が生じても、こまめに感じて表現して

受けとめてもらったり、反抗期にガス抜きをして、たまった分の感情処理ができれば、

心が石のように重くなることはありません。

首や肩がぱんぱんに固くなることもないでしょう。

そして、おとなになったときは、心の容量が大きくて余裕があるので、

目の前の人のネガティブな感情を受けとめ、解消してあげることができるでしょう。

自分が親にしてもらったように、

子どもにたくさん喜びを与えて、怒り悲しみ恐怖は、共感して受けとめ、

解消させてあげられる、「大きなおとな」の親になるでしょう。

ネガティブ感情を解放して、心の隙間を作ろう

ハッピーチャイルド(小さなこども)とアンハッピーチャイルド(小さなおとな)のちがいは、

① 幼い頃にどれだけ喜びを経験したか、

② 怒り悲しみ恐怖をだれかに受けとめてもらって解消できたか、

そうした感情体験の差ではないかと思うのです。

①も②も多ければ、安心できるし、心は軽く、

余裕があるので、他者を思いやることができます。

①も②も少なければ、不安のほうが強く、

ネガティブ感情をどんどん詰め込んでいくので、

心は重く、自分のつらさでいっぱいなので、

他者を思いやる余裕はとてもありません。

むしろ「これ以上わたしをつらくしないで!」と、ぱーんと跳ね返してしまうでしょう。

この後者の状態が、マグマ入り漬け物石であり、

アダルトチルドレンであり、

子どもをアビュースする母であり、

各種パーソナリティ障害、なのではないでしょうか。

子どもであれ大人であれ、後者の人たちの漬け物石状態の心を

少しでも軽くしていけたら、本人にとっても、周囲の家族や子どもにとっても、おおいにプラスにはたらくはずです。

重い心が少しでも軽くなると、余裕という隙間ができて、思いやりが生まれるからです。

<関連書籍>

きづけない毒親 高橋リエ
「気づけない毒親」高橋 リエ著
単行本 : 192ページ
出版社 : 毎日新聞出版

「人生を変えるトラウマ開放エクササイズ」
デイヴィッド・ハーセリ(著)山川 紘矢(訳)

※当記事は、高橋リエがカウンセラーとして活動を始めた当初より綴っている、Ameba(アメーバ)ブログ 「毒親育ちのアダルトチルドレンが自由になるカウンセリング」から、人気記事を再編集して公開しています。

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ぜひ参考にしてくださいね。
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